コラム「共創展の視点」【第22話】商品を”起・承・転・結”で開発していますか?

kisyotenketu

「ヒラタさん、当社のこれまでの商品開発は、”起”と “結” しかなく、その間の必要なプロセス”承”と “転” が欠けていることが、お話ししていてよく分かりました。」

先日、個別相談をした社長さんのお言葉です。

こちらの企業は、独自性のある魅力的な飲食店を複数店舗展開しており、いくつかのオリジナル(OEM)商品を店頭で販売しています。本業の飲食の方は好調ですが、オリジナル商品の販売については、満足できるOEM商品がなかなか作れず、売行きも思わしくないという悩みをお持ちでした。

これまでの商品開発について確認すると、凡そ次のように進めていました。

①店内のお客様の様子や、他の小売店の商品などを見ながら、来店客が喜んでくれそうな商品を社長がイメージする。

②イメージした商品に近い商品を作れそうな委託先を、展示会等で見つける。

③委託先の主導や制約の範囲で商品開発が進む。

④思い描いていたイメージと異なる商品ができる。多少ズレはあっても、”それっぽい商品”になっていれば、そのまま販売する。

 

この企業に限らず、商品を開発した経験が少ない委託元の企業が陥りやすいパターンです。開発プロセス毎に、起きやすい事や発生する問題についてもう少し詳しくお話しします。

①商品の企画段階
 開発する商品に関する情報が直感や思いつきのレベルに留まったままで、必要な情報収集や検討を重ねた上で、より具体的な「商品コンセプトの設定」「商品仕様」「売価」「販売計画」・・・・といった、必要要素を含んだ商品要求企画(書)にまで落し込みができていない。
必ずしもこの段階でガチガチの要求企画書が完成している必要はありませんが、”これだけは絶対に必要、譲れない”という商品構成要素や取引条件を明確にしておかないと、ゴールや判断基準を持たないまま開発を進めることになり、以降の工程で問題が生じ易くなります。

②委託企業の探索・選定段階
 作りたい商品が曖昧な状態で委託企業を探すため、”それっぽい”商品が作れるところは探せても、「本当に納得できる商品を開発・生産できる能力があるのか?」「何処まで融通が効くのか?」「要求に真摯に対応してくれそうか?」・・・・といった、適切な判断を下しながら委託先企業を選定できない。

③商品開発段階
 「商品の仕様を詰めるためのディスカッション」、「出来上がった商品の評価やフィードバック、修正」「背反する事柄への対応」・・・・を行う際にベースとする考えや判断基準が曖昧なままなので、委託先の主導で、委託先の都合や能力に見合った商品ができ上がる。この結果、初期に抱いたイメージとかけ離れた商品になったり、特徴のない商品となる。

④販売段階
 どんな顧客に対してどのような価値を提供するかの商品コンセプトが曖昧なまま開発を進めてきたため、「ネーミング」「商品本体」「ラベル」「パッケージ」「販促物」・・・・等の一貫性が無くなったり、メッセージ性が希薄になり、顧客に効果的なPRが出来ない。

このような結果、「思うように売れる商品にならない」といった事が度々起こります。

何れも、全ての土台となる商品企画段階での詰めが甘いため、後工程における判断や調整、行動が適切に行えないことが起因しています。

 

経営者は、感性に優れ直感力が働く方が多いので、思い描くアイデアやイメージ(起)が、儲かるビジネス・商品に繋がる可能性は高いと思います。しかし、「必要な情報を加え、アイデアやイメージをより具体化し強化していく」、「別の角度からも検証し、調整や修正をしていく」といった間の必要な工程(承)(転)を省いてしまうと、何となく形(結)にはなっても、残念な結果になる可能性もまた高くなります。

 

せっかく創るオリジナル商品です。必要な工程を踏まえて商品を開発することで、自社にとっても委託先にとっても、よいビジネスに繋げて貰いたいと思います。

 

貴社は、必要な工程 ”起・承・転・結”を踏まえた商品開発を行っていますか?

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