コラム「共創展の視点」【第21話】王道の商品開発で法的規制を乗り越える

「せっかく委託製造でオリジナル商品を作っても、委託製造者が分かったら簡単に真似されちゃいませんか?」

 自社のオリジナル商品をOEMで作りたいと相談に来られた飲食店の社長さんに、法的な留意点をお伝えしている際に、出た質問です。

「JAS法」「食品衛生法」「健康増進法」の義務表示に関する3つの法律が一つになり、「食品表示法」として昨年の4月に施工されました。

この法律によって「機能性食品」という新たな保健食品のジャンルができ、いま多くの企業がビジネスチャンスと捉え、申請書類の届け出や、関連商品の開発を盛んに行っています。(詳細は消費者庁のHPで確認できます)
これは、これでPB・OEM事業者にとっても喜ばしいニュースでしたが、この法律の中にPB・OEM事業者を悩ませる、インパクトが大きい内容も含まれていました。

それは、「同一商品をひとつの製造所のみでつくる場合は、製造者の名称と所在地を表示しなければならない」というものです。なお、2つ以上の製造所で作る場合は、これまで通りの記号表記も認められますが、問合せ先、もしくは生産者情報を把握できるWEBサイトのアドレスを表示する必要が有ります。何れにしても、これまでベールに包むことができた委託製造先を簡単に特定することができます。

この条項、同業社との競争という点では、冒頭の社長さんが心配されたように、委託先がすぐに特定できることで類似商品が直ぐに出回ったり、情報が漏れるといったリスクが高まります。

また、顧客が感じる価値という点では、製造者情報が併記されることで、従前の販売者情報のみの記載と比べ、オリジナル商品としての受け止められ方が低下する懸念が有ります。

もし、現在の委託商品に大きな特徴がなく、また何らかのプロテクトもかけていなければ、これらの心配が現実化する可能性は高まります。

一方で「顧客に提供する価値の明確な設定」「オリジナリティを高める工夫」「競業避止や情報の保護」といった事を適切に行っていれば、こうした懸念の大部分を払拭することが出来ます。具体的には、「原材料の一部を自社から供給する」「委託先としっかり組んでオリジナリティの高い商品を共同開発する、強い信頼関係を構築する」「アイデアや商品を権利化する」「基本契約や機密保持契約によりプロテクトをかける」といった事が挙げられます。

単なる物マネや、委託先任せの商品開発ではなく、顧客から見て商品価値やオリジナル性が十分に高く、それを保護する仕組みがきちんと出来ていれば心配はいりません。

つまり王道の商品開発に徹すれば、決して怖い法律ではありません。むしろ薄っぺらい商品開発をしている企業が淘汰されれば、チャンスにもなり得ます。

ちなみにこの法律、制度施行は今年の4月からですが、経過措置期間が4年間有り、完全移行はオリンピックイヤーの2020年となります。しかし、先延ばしにすることなく、今から王道の商品開発・委託に取組むのが得策であることは間違いありません。

こう説明をしたところ、冒頭の社長さんも納得されていました。

貴社は、王道の商品開発をしていますか?

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